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Story③:メジャートーナメント誘致プロジェクト

倉持 真咲

経営企画部

倉持 真咲

  • 経歴

東海大学付属第五高等学校(現 東海大学付属福岡高等
学校) 卒業後、新卒第一号としてタニミズ企画株式会社へ入社

  • クラシックマネジメントグループがこれまで誘致したメジャートーナメント

・1995年 日本女子プロゴルフ選手権
・2017年 日本シニアオープンゴルフ選手権
・2020年 日本女子オープンゴルフ選手権

~大会誘致への想い~

“やってみたい”の一言から大舞台への物語が始まった。

ビジョン会議

クラシックマネジメントグループでは、年に一度役職者が集まって、中長期的なビジョンを描き共有するためのビジョン会議という行事があります。
この会議は、堅苦しいものではなく、お茶を飲みながら和気あいあいとした雰囲気の中で時間が進んでいきます。
アイデアの実現可能性は二の次で、まずは社員一人ひとりが取り組んでみたいことを惜しみなく発表することを趣旨としています。

ゴルフ業界では、女子プロゴルフが隆盛し始めたある年。いつも通り、皆でテーブルを囲んで、未来構想をブレストしていました。
経済性のあるアイデア、社員がもっとこの会社で働きたくなるようなワクワクする企画が次々と挙げられる中、取締役の八尋が、「1995年に日本女子プロをやったので、今度は日本女子オープンをやってみたいです」と。
その瞬間、会議室の空気感が変わったことを今でも鮮明に覚えています。

それもそのはず、日本オープンとは、日本で最も権威のあるトーナメントとして評価されており、中でも女子部門誘致は全国のゴルフ場の憧れです。
過去の実績を見ても、地方となる九州に日本女子オープンが回ってきたのは、50年の歴史の中でたった一度きり。
ここ数年の開催クラブリストを見ても、50年から100年の歴史を刻む伝統ある名門クラブしか採用されていなかったのです。

この一言がきっかけとなり、私たちは20年ぶりに国内最高峰のトーナメント会場として日本ゴルフ協会に立候補し、結果、2020年の開催が現実となったわけですが、大会事務局を選任するに当たり、1995年の日本女子プロの経験がある私に白羽の矢が立ったわけです。
後日談ですが、代表の谷水が八尋が女子プロを言い出した時、「八尋さん、とんでもない意見を出しよったな」と内心仰天したことを話してくれました。

~目の前に立ちはだかった困難と試練~

ロマンを共有し、アゲインストの風を突破する。

トーナメントの中でも最もステータスのある日本オープンを誘致するには、通常のプロツアーとは異なる様々な高い要件を満たす必要があります。
戦略性のあるゴルフコース設計となっていることはもちろんのこと、天然芝で十分に距離がとれる打球練習場の有無や周辺にギャラリー駐車場が数千台分確保できるかどうか、更にはクラブの運営状況やこれまでの大会実績等も選定条件として考慮されます。
加えて、ゴルフクラブの会員様や地域の皆様のご理解も不可欠なのです。

この話を社外に掲げた際に、「まだこの大会を誘致できるレベルにはない。」「お金の使い道が他にもあるのではないか」と厳しい意見を集中的にお預かりしました。
アゲインストの風が吹く中で、私たちは懸命に「一生に一度できるかどうかの夢の舞台です。ぜひ九州に一流のトーナメントを誘致し、お客さまや地域の皆様と一生の記憶を共有したいのです。経済貢献や街の魅力発信等、必ず意義のある大会にしてみせます。」と力みながらプレゼンテーションを繰り返し、支持をいただくことに努めました。

一年以上にわたる周囲関係者との交渉の末、多少の背伸びはしたもののホスト会場として立候補することを認めていただきました。
全国から沢山の名門クラブが候補として名を連ねる中、外部からはクラブの歴史やこれまでの実績から見て絶対に無理だろうとの前評判でしたが、オリンピックイヤーとなる2020年の日本女子オープンのホスト会場として日本ゴルフ協会より選出いただきました。

創設から30年にも満たないゴルフクラブが当大会をホストすることは異例であり、全国メディアにも“空前絶後の大抜擢”と大きく記事に取り上げられたことを覚えています。その紙面を見た時は、思わずガッツポーズが出てしまいました。

ロマンを共有し、アゲインストの風を突破する。

~挑戦の日々は続く~

一生に一度の大舞台。
キャリアの全てをここに表現したい。

大会オフィシャルグッズの企画制作

オープンの誘致が決定したその後は、大舞台に相応しいゴルフコースを造るために、スコットランドの造成家に依頼をしてコース改造に着手したり、大会を支援してくださる協賛企業の募集活動に走り回ったり、その他大会オフィシャルグッズの企画制作等、より一層忙しい日々を過ごすこととなりました。
全てが初めてのことで、多少の遠回りがあったとは思いますが、プロジェクトチームのスタッフとミーティングを繰り返し行い、ひとつひとつクリアしていきました。
大会準備活動を進める中で、会員様や地域の皆様から「よくこのような素晴らしい大会を誘致できたね。ロマンをありがとう」「このゴルフクラブは、私の人生の誇りだよ」といったゴルフ場で働く人にとってこの上ないお褒めの言葉をお預かりし、今でもその言葉が私たちの大きな推進力になっています。

2020年10月、夢に見た日本女子オープンが私たちのゴルフクラブで開催されます。
ゴルフ場で働く人の中で、当大会に関わることができるのは、おそらく全体の1%くらいではないでしょうか。
私は、新卒でクラシックマネジメントグループに入社してこれまで数えきれない程のつらいことや悲しいこともありましたが、今思い返せば、この夢舞台に通ずる道であったと心の底から思い、誇りを持ってお仕事させていただいております。
一生に一度の大舞台、日本全国のゴルフファンに興奮と感動をお届けする大会となるよう、クラシックマネジメントグループでの経験やお客さまから教えていただいた学びを全て発揮して、全社一丸となって駆け抜けていきたいと思います。

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