Story②プロジェクトストーリー

2019年、世界的に疫病が流行し、弊社のゴルフ場事業も大きな打撃を受けました。事業所によっては、売上昨対比50％を記録する月もあり、経営体制の抜本的な見直しを迫られる事態を経験しました。
幸いにもゴルフというスポーツは、感染拡大の可能性が低いアウトドアスポーツとして認められたために、数カ月後には売上が回復。海外旅行などのレジャーが制限されたため、数十年ぶりのゴルフブームが興りました。

弊社では、このチャンスを生かすべく、時流に適応し、既存のゴルフ場事業との連携が可能となる新業態「インドアゴルフスクール＆レンジ Golf Days」を福岡市にオープン。世間は経済が冷え切っており、懸念することは多数ありましたが、“挑戦する”という創業以来の企業理念の下、勇気をもって、新しい事業の旗を上げました。

私は、15歳でカナダへゴルフ留学に行き、Dave Ewart氏に師事。その後、更なるレベルアップを求めて、米Golf Magazineにてカリスマコーチと評されたBrent Morrisonが主宰するBrent Morrison Golf Academyへ入校。約12年間をゴルフの本場である欧米で過ごしました。
ゴルフは、欧米を起源とするスポーツであり、スイング理論やスポーツマーティング分野は日本よりも圧倒的に発展しています。弊社にて、スタジオ事業が開発されると聞いた際、自らの海外経験が役に立つのではないかと直感的に思いました。すぐに、役員会へ開発責任者になりたいと意思表示し、構想プレゼンの準備に取り掛かりました。
事業計画書・内装施工計画・人員計画を策定し、毎日小さな修正の繰り返し。ようやく会社から“合格”という言葉をもらったと安堵していたら、直後に耳に入ってきた指令は「斎藤さん、3カ月後オープンで！」。日頃から、弊社はスピード意識の行動指針を掲げているものの、０から立ち上げるプロジェクトとしては、とても厳しいタイムスケジュールです。その日から、息つく暇もない全力ダッシュの日々を過ごすことに。体力的に大変な思いをしましたが、プロジェクトメンバーと共に、ワクワクする時間を過ごしたことは言うまでもありません。今となっては、良い思い出ですね。

従来ゴルフレッスンは、インストラクターが目視で確認したり、動画を撮影したりして、視覚的な改善を続けてきました。しかし、私が育った欧米では、スイングの形にこだわりすぎず、適当な数値データが出るスイングであれば、あとは個性であるというのが主流的な考え方でした。
日本では、きれいなスイングになりたい！というお客様が多いので、もちろんビジュアル的な指導にも時間を取りますが、私がやりたいのはデータ中心のゴルフレッスン。「飛距離を伸ばすためには？」「曲がらないボールを打つためには？」「グリーンでボールを止めるには？」これらはすべてデータで説明できることです。
トラックマンという世界基準のデータ設備を搭載して、お客様一人ひとりの課題を抽出し、科学的な指導を掲げる少人数制スタジオを考案しました。
当時、データ測定はプロゴルファーがやっていればいいと多くのお客様が認識していたことと思いますが、いつの時代もどのスポーツも理論や技術・練習法はプロからアマに下りてきています。間違いなく、データ中心のゴルフ練習が大衆化されると予見していました。
おかげ様でオープン以来多くのお客様にご入会いただき、ベストスコアの声が続々と聞こえてきます。お客様が喜んでいる様子を見ることがなによりのご褒美で、頑張ってよかったなあと思います。これからもゴルフ界の先端を見つめてヒントを掴み、積極的に挑戦をして、社会のお役に立つことを目指して参ります。